源氏物語巻一

 

2019.1.6読了

源氏物語巻一』紫式部著/瀬戸内寂聴

 

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『桐壺』〜『若紫』までが収録されている巻一。

『帚木』『空蝉』『夕顔』は知らなくても、『桐壺』『若紫』の冒頭は中学、高校の教科書に載っている為、ご存知の方も多いはず。

特に『若紫』は『源氏物語』といえば誰もが思いつく光源氏が紫の上を誘拐する場面なので、知らない人はいないだろう。

 

また、瀬戸内寂聴の訳が堅苦しすぎなく、かといって砕けすぎず、それでいて美しい。

和歌部分はそのまま載せていて、下に小さく訳されているのだけれど、その訳も過不足のない訳だった。

 

源氏物語』の内容は高校生の頃、古典の先生に『あさきゆめみし』を借りたので一通り把握していたし、中学、高校、大学で一部履修していたので頭には入っているつもりだったけれど、やはり細かいところは知らなかったり、忘れていたりしていた。

『若紫』までで六条御息所の描写がかなり少ないことには驚いた。登場人物の中で六条御息所が好きなのでショックだった。

あさきゆめみし』でも、昔、生田斗真が主演を務めていた『源氏物語』の映画でも、もっと登場していたような気がするけれど。

夕顔と葵上を呪い殺してしまうほど嫉妬深い人だから印象が強いだけだったのかしら。

 

学生に『源氏物語』の入門としては勧められないけれど、大人になってから古典に触れたいと思った時には丁度良い作品だった。