ガラスの動物園
2019.4.27読了。
『ガラスの動物園』
テネシー・ウィリアムズ / 訳: 小田島雄志
『欲望という名の電車』に続いてテネシー・ウィリアムズ作品。
後半、ローラがジムに心を開き、2人の距離が急速に縮まっていくところでは、このままローラが幸せを掴むのだと疑わず、ローラを祝福する気持ちで頁を捲っていた。
けれど、ジムの一言であっさりとその期待は裏切られる。
「ぼくはもう_売約済みなんだ。(中略)決まった相手がいるんだよ!」
せっかくローラが心を開いたのに。このままオールドミスにならず、幸せを掴むのだと期待したのに。
けれど、ジムとのこの再開はローラにとって大きな出来事となったろう。
自分の脚を気にしすぎるあまり、他人の目を異常に気にしすぎてしまっていたローラに自信を与えたのは、紛れもなくジムなのだから。
ユニコーンの角が取れたあの瞬間、ローラの恐怖心や、劣等感が取れたのではないだろうか。
そしてローラも角の取れたユニコーンのように、ようやく他の普通の馬と同じ土俵に立てたのではないだろうか。