孤独な夜のココア

2020.1.6読了 『孤独な夜のココア』田辺聖子 田辺聖子は、古典の現代語訳のイメージが強く、それ以外のものがあるとは知らなかった。 『孤独な夜のココア』とはなんとも寂しく、それでいてあたたかな印象を受けるタイトルだけれど、収録されているどの作品に…

斜陽

2019.11.28読了 『斜陽』太宰治 そういえば、『斜陽』のブログがまだ下書きのままだった。 ちょうど『斜陽』を読み始めたその日に沢尻エリカが逮捕され、とても驚いた。 だって、私が持っているのは映画仕様の表紙の『斜陽』なのだから。 やはり映画の影響な…

ときどき旅に出るカフェ

2019.12.5読了 『ときどき旅に出るカフェ』近藤史恵 『タルト・タタンの夢』と同じ近藤史恵作品。 こちらは主人公の瑛子が、近所に小さなカフェを見つけるところから始まる。 そのカフェの名前は「カフェ・ルーズ」そして、そのオーナーであり、唯一の店員は…

修羅天魔

2019.11.8鑑賞 『修羅天魔』 ここ最近、月1ペースでゲキシネを鑑賞している。 誘ってくれる友人にも会え、私としては嬉しいかぎり。 そして劇場に行くよりもお財布に優しい。 やはり舞台は、空気感も味わえる生に勝るものは無いのだけれど、それはそれでオペ…

儚い羊たちの祝宴

2019.11.16読了 『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 これほどまでに己の読書不足を悔やんだことはない。 読了後、楽しかった思いと同時に悔しさがふつふつと湧き上がってきた。 『儚い羊たちの祝宴』は「バベルの会」という読書会でゆるく繋がれた4つの短編によっ…

幹事のアッコちゃん

2019.11.8読了 『幹事のアッコちゃん』柚木麻子 大好きなアッコちゃんシリーズ。 アッコちゃんシリーズは時間が取れなくても、さくっと読めるところが魅力。 そして、ちょっと前向きにさせてくれる。 今回は4篇全てにおいて、アッコ女史が主軸だった。 『ラ…

ピッチ・パーフェクト

2019.11.14観賞 『ピッチ・パーフェクト』 鑑賞中に気づいたのだけれど、おそらくこれを観るのは初めてではないと思う。 初めて観たのはいつだったかしら。 『ハイスクールミュージカル』にハマっていた頃?? それは、置いておくとして。 舞台は、大学の女子…

源氏姉妹

2019.10.25読了 『源氏姉妹』酒井順子 タイトルに源氏とあったので、『源氏物語』を下敷きとしているのだと思い、お迎えしたのだけれど、なんというか、下世話の一言に尽きる。 タイトルと表紙で気付くべきだったけれど、イラストがかわいらしく、ここまでと…

ジョーカー

2019.10.16鑑賞 『ジョーカー』 この日は、本当は違う映画を観るつもりでいたけれど、時間が合わず、同じく気になっていた『ジョーカー』を鑑賞することに。 鑑賞して感じたのは、恐怖。 『バッドマン』のヒール役なので、もちろん殺人シーンもあり、思わず…

記憶にございません!

2019.10.1鑑賞 『記憶にございません』 みなさん台風は大丈夫でしたでしょうか?? どなたも被害に遭われていないと幸いなのですが。 ようやく温帯低気圧になったとのことで、とりあえず一安心しています。 しかし、これから二次災害も起こりえますので、しば…

上流階級富久丸百貨店外商部其の二

2019.10.10読了 『上流階級富久丸百貨店外商部其の二』高殿円 先日、其の一を読了して、すぐに其の二をお迎えに本屋へ直行した。 前回は、静緒が外商という仕事に励む「お仕事ドラマ」要素が大きかったけれど、 今回は外商という仕事を通して、静緒や桝家が…

髑髏城の七人season月

2019.9.13 上弦の月 鑑賞 2019.10.4 下弦の月 鑑賞 『髑髏城の七人season月』 劇団☆新感線の代表作の1つである『髑髏城の七人』 もう何度も役者を変えて上演されていて、今回は花鳥風月シリーズということらしい。 そして、season月は上弦と下弦のダブルキャ…

人間失格 太宰治と3人の女たち

2019.10.1鑑賞 『人間失格 太宰治と3人の女たち』 大好きな蜷川実花作品。 言うまでもなく映像はとても美しかったけれど、今作で印象的だったのは色の変化。 太宰の晩年にいくにつれ、だんだんと使われる色が減り、またその色の彩度が落ちていったような気が…

Once Upon a Time in Hollywood

2019.9.17鑑賞 『Once Upon a Time in Hollywood』 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演、しかもタランティーノ監督。 物語のベースとなっている事件の部分は、実際の事件とは異なるけれど、終わり方的には、あの結末でよかったと思う。 事…

上流階級富久丸百貨店外商部其の一

2019.9.17読了 『上流階級富久丸百貨店外商部其の一』高殿円 表紙のデザインと金の箔押しが目を引いて、しばらく気になっていた作品。 気になってはいたけれど、積読に迎え入れてはいなかった。 しかしある時、本屋さんをぶらぶらしていたら其の二が増えてい…

catch me if you can

2019.9.10鑑賞 『catch me if you can』 ブログを書くのが遅くなってしまった。 『Once Upon a Time in Hollywood』を観たいと思っているけれど、いい席が埋まっていたり、予定と上映開始時刻が合わなかったりしていて、いまだに観れていない。 公開期間中に…

ドイル傑作集Ⅰ ミステリー編

2019.9.5読了 『ドイル傑作集Ⅰ ミステリー編』 コナン・ドイル / 訳: 延原謙 すっかり間が空いてしまいました。 ここ数日というもの、どうしてなかなか時間が取れず。 頁数があるわけでもないのに、いたずらに3週間もかかってしまった。 さて、この傑作集に…

アルジャーノンに花束を

2019.8.17読了 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス / 訳: 小尾芙佐 ブログに載せるのを失念してしまっていた。 知的障害を持ち、知識に対して憧れを抱いているチャーリィ。 そこで賢くなるための手術を受けることにする。 みるみるうちにIQが上が…

あつあつを召し上がれ

2019.8.15読了 『あつあつを召し上がれ』小川糸 『バーバのかき氷』 『親父のぶたばら飯』 『さよなら松茸』 『こーちゃんのおみそ汁』 『いとしのハートコロリット』 『ポルクの晩餐』 『季節はずれのきりたんぽ』 以上の7つの短編から成る短編集。 最初の…

ローマの休日

2019.8.13鑑賞 『ローマの休日』 ミュシャ展から帰宅し、自宅で鑑賞。 やはりオードリーは美しい。 そして、天真爛漫な役が良く似合う。 白黒映画だけれど、鮮やかに感じたのはオードリー演じるアン王女が天真爛漫だからだろうか。 また、冒頭でアン王女が身…

みんなのミュシャ

2019.8.13観覧 『みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ-線の魔術』 仕事がひと段落ついたので、前々から行きたいと思っていた話題のミュシャ展に行ってきました。 けれど、奇しくも世間はお盆休み。 あまりの人の多さに、なにも今日でなくても良かったか…

太陽のパスタ、豆のスープ

2019.8.6読了 『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都 主人公の明日羽が婚約破棄されるところから物語は始まる。 実は婚約破棄は私も経験があるので、明日羽の気持ちは痛いくらいよくわかった。 というよりも、同じ道を辿ったと言うべきかしら。 感情の起伏に…

ペット

2019.8.4鑑賞 『ペット』 昨日から家族旅行に来ていて、小学生のいとこと一緒に鑑賞した。 制作はミニオンシリーズと同じイルミネーション。 こういう作品は展開がパターン化しているけれど、見てみるとクスッと笑ってしまうところもあり、大人でも楽しめた…

人間失格

2019.8.3読了 『人間失格』太宰治 プレミアムカバーの箔押しが美しかったのと、今度の蜷川実花監督作が『人間失格』なので読んでみた。 内容は以前、生田斗真主演の映画を見ていたので把握していたのだけれど、原作を読むのは初めて。 改めて原作を読むと、…

江戸川乱歩名作選

2019.7.29読了 『江戸川乱歩名作選』江戸川乱歩 プレミアムカバーになっているのを見た時、おや?と思った。 何年か前にも黒地に赤文字でプレミアムカバーになったじゃないかと。 しかし、よく見てみるとこちらは名作選。 以前プレミアムカバーになったのは傑…

ヘアスプレー

2019.7.25鑑賞 『ヘアスプレー』 昨日、FNSを見ていたらどうしてもミュージカルが見たくなって、FNSが終わったあとにHuluで観た。 テンションはハイスクールミュージカルに近いような印象。 明るくて楽しげなティーン達のダンス。 ハイスクールミュージカル…

蜜蜂と遠雷

2019.7.8 上巻読了 2019.7.23 下巻読了 『蜜蜂と遠雷』恩田陸 新書の時から文庫になるのを、今か今かと待っていた作品。 なので、すぐに文庫になってくれて嬉しかった。 人気だったので、そんな気はしていたけれど。 『蜜蜂と遠雷』を読んでいて、『チョコレ…

ダイナー

2019.7.10鑑賞 『ダイナー』 そういえば『ダイナー』を書いていなかったと思い出して、いまさらだけれどブログに。 『ダイナー』は映画館で予告を観てから、絶対に鑑賞しようと心に決めていた作品。 なぜなら蜷川実花作品だから。 蜷川実花作品は『ヘルター…

奥様はクレイジーフルーツ

2019.6.28読了 『奥様はクレイジーフルーツ』柚木麻子 夫とのセックスレスに悩む初美。 前半は行き場を無くした性欲を持て余す、初美の暴走っぷりに思わず笑ってしまう。 けれど、どれだけ妄想が暴走しても初美は決して夫を裏切るようなアクションは起こさな…

ティファニーで朝食を

2019.6.24読了 『ティファニーで朝食を』 トルーマン・カポーティ / 訳: 村上春樹 Moon Riverのメロディが流れるオルゴールを鎌倉で購入した時に、読むことを決めた作品。 映画の『ティファニーで朝食を』は鑑賞したことがあるので、内容自体は把握していた…