幹事のアッコちゃん
2019.11.8読了
『幹事のアッコちゃん』柚木麻子
大好きなアッコちゃんシリーズ。
アッコちゃんシリーズは時間が取れなくても、さくっと読めるところが魅力。
そして、ちょっと前向きにさせてくれる。
今回は4篇全てにおいて、アッコ女史が主軸だった。
『ランチのアッコちゃん』『3時のアッコちゃん』ではチラっと出てくるだけの話が1~2篇あったのになぜ今回だけ??
もしやこれでラストかしら??なんて思いながら読み進めていたら、アッコ女史はなんと日本を飛び出したではないか。
これには思わず笑ってしまった。
ほんの少しの驚きはあったものの、アッコ女史ならやりかねないと思ったから。
また、「アンチ・アッコちゃん」はいつものパターンとは違っていたけれど、これはこれでいいのだと思わせてくれる。
アンチでさえ、前を向かせてくれるアッコ女史には誰しも脱帽せざるを得ないだろう。
その過程で、甘えたりいじけたりするアッコ女史の意外な一面も垣間見られて満足だ。
三智子とアッコ女史のコンビも安定感がある。
けれど、同じではない。
関係性が進化していて、三智子はアッコ女史について行くだけではない。
対等にアッコ女史に提案できるようになっている。
ラストのインタビューを見ている三智子と、インタビューを受けているアッコ女史は、距離も、国境も、媒体も越えて通じあっていたように感じさせる余韻が心地よかった。