ダイナー
2019.7.10鑑賞
『ダイナー』
そういえば『ダイナー』を書いていなかったと思い出して、いまさらだけれどブログに。
『ダイナー』は映画館で予告を観てから、絶対に鑑賞しようと心に決めていた作品。
なぜなら蜷川実花作品だから。
蜷川実花作品は『ヘルタースケルター』『さくらん』とも鑑賞しているけれど、どちらも映像がとても美しかった。
蜷川実花らしい、ヴィヴィッドな色使い。
たくさんの色を使うのに、色同士が喧嘩しない絶妙なバランス感覚。
美しいだけでなく、毒っぽさも孕んでいる、あの独特な世界観。
まさに動く写真集。
鮮やかな世界に目が離せない。
『ダイナー』もまさにそんな蜷川実花の世界観を堪能できる作品だった。
殺し屋の物語なので、途中で目を塞いでしまった部分もあったのだけれど、それが惜しいと思ってしまうほどに。
1年前に死んだボスを蜷川幸雄にするといった遊び心が素敵。
たしかに蜷川実花にとっても、主演の藤原竜也にとっても蜷川幸雄はボスであろう。
また、「俺を見つけてくれたのはボスだ」と言った台詞を言わせたのも、藤原竜也とボンベロが重なって面白い。
演技では本郷奏多と真矢ミキが印象に残った。
正体が明かされる前のキッドを演じる本郷奏多は、大人になってからの本郷奏多が子役を演じているというよりも、子役時代の本郷奏多が戻ってきたようで鳥肌がたった。
ここ最近はニヒルな役柄を演じることが多かったから余計かもしれない。
子役時代の、あの無垢でキラキラしていた本郷奏多だ。そう思った。
真矢ミキはさすが元宝塚トップスター。
挙動の1つ1つが、あらゆる角度が完璧な無礼図を作っていた。
振り向いた角度、ハットを傾ける角度、あらゆる角度を理解し尽くして、使いこなしていた。
退団して久しいけれど、完璧だった。
私が宝塚の公演を鑑賞したのは、1度だけで、その時のトップスターは蘭寿とむ(退団公演)だったけれど、その時の大階段を思い出した。
9月には蜷川実花の『人間失格』も公開されるので、それまでに原作を読んでおこう。
ちょうどプレミアムカバー版が出ているし。