髑髏城の七人season月
2019.9.13 上弦の月 鑑賞
2019.10.4 下弦の月 鑑賞
『髑髏城の七人season月』
劇団☆新感線の代表作の1つである『髑髏城の七人』
もう何度も役者を変えて上演されていて、今回は花鳥風月シリーズということらしい。
そして、season月は上弦と下弦のダブルキャスト。
主演が福士蒼汰と宮野真守だったので、これは同じ作品でも、全く異なったものが観ることができるのではないかと、どちらも鑑賞しに行くことに。
とはいえ、お財布の都合上ゲキシネでの鑑賞なのだけれど。
しかし、かえってゲキシネでしかできない演出があったので、結果オーライかもしれない。
その演出がカット割り。
上弦は、あくまで王道。
ゲキシネ上映も従来通り、長回しやフィクス、パンなどで、舞台全体を映しているのがほとんど。
実際に観劇した時のように俯瞰している絵になっていた。
それに対し、下弦では要所要所で役者のアップが入る。
漫画のコマ割りのようなイメージだ。
たしかに、役者の芝居も上弦は『髑髏城の七人』という台本の王道の芝居を観ているという感覚があった。
しかし、下弦は解釈自体は王道だけれど、もっとコミカルだった。
また、個人的に印象的だったのが無界屋蘭兵衛が森蘭丸に戻ってしまう場面。
三浦翔平演じる上弦では、女形のような色っぽさがあり、信長に先立たれてしまった悲しみと、いまだ消えぬ信長への愛情を観客に呼び起こした。
対して、廣瀬智紀演じる下弦では、色っぽさはあるものの上弦ほどではなく、むしろ信長を失った悲しみと愛情が、今までずっとくすぶり続けており、それが天魔王の与えたきっかけにより、それが狂った怨霊、森蘭丸として甦ったように見えた。
なので、その後の天魔王と蘭丸の関係性も少し異なった印象だった。
上弦は、天魔王に蘭丸が仕えているような印象的だったが、下弦では天魔王と蘭丸が2人の魔王に見えた。
あとは、兵庫が全くの別物だった。
これは役者の年齢によるところが大きいからだと思うけれど。
また今度、髑髏城の七人のうちの1人である極楽太夫に焦点をあてた『修羅天魔』が上演されるらしい。
こちらは新作。
そして主演は天海祐希。
上弦では大阪のおばちゃん、下弦ではアイドルだった極楽太夫をどのように天海祐希が演じるのか、気になるところ。
できれば『修羅天魔』も鑑賞したい。