女王陛下のお気に入り

 

2019.3.1鑑賞

女王陛下のお気に入り

f:id:citron_plum:20190302165131j:image

 

オリヴィア・コールマンがアカデミー主演女優賞を獲得した作品。

以前から気になっていたので、これを見逃してしまわぬようにと映画館に足を運んだ。

調べてみると近くの映画館では上映されておらず、少し遠出してしまった。

 

映画はなんだか考えさせられてしまった。

アン女王があまりにも孤独で、愛に飢えていて。

サラもアビゲイルもアン女王の"お気に入り"の地位を争うけれど、それは地位と財産の為。その奥に仄かな愛が透けて見えるような気がするけれど、どこまでが愛で、どこからが腹黒い下心なのか。

 

特にサラが国外へ去った後のアビゲイルの態度は酷い有様で、アン女王の"お気に入り"になろうと献身していた時とは別人のようである。

それを踏まえると、アビゲイルの方は下心だけだったのであろう。アン女王と大佐の愛を勝ち得て、上流階級に復帰できたところは、皮肉にもシンデレラストーリーとも言えなくもないけれど。

 

一方でサラの方はアン女王にの心を掴みつつあるアビゲイルに目くじらを立てている時、自身の地位が揺らぐのを恐れているというよりも、嫉妬の感情が強いように感じた。思い違いだろうか。けれど、アン女王の為にもそうであって欲しい。

サラが立ち去る時のアビゲイルと交わした「勝ったつもり?」「違うの?」のいう会話はただのサラの負け惜しみなのか。それとも戦争で功績を上げている夫と共に、いつか英国に返り咲くつもりなのか。

 

また、物語のラストシーンで、アビゲイルがうさぎを踏んずけている所をアン女王が目撃し、その仕打ちに立ったままアビゲイルに足を揉ませる。

2人のなんとも言えない表情とうさぎの映像が交錯していくのが、なんとも印象的だった。

アビゲイルはうさぎよりも下だと示したいのか、アビゲイルがうさぎよりも気に入られようと再燃するのか…。