女生徒
2019.02.15読了
『女生徒』太宰治
皆様、昨日はバレンタインデーでしたね。
如何過ごされましたでしょうか。弊社はクリスマスやバレンタインを社内ではやらないという暗黙のルールがあるので、私にとっては平穏な平日でした。
さて、『女生徒』読了。
短編集だと知らずに購入したので、目次を見て驚いた。
あら、短編集なのね。と。
それならすぐに読み終えてしまうかもしれないわ。と。
そんな予想は完全に外れ、1週間ほどかかった。それでも1週間なのか。もっと時間をかけたような気がしていたけれど。
時間がかかったと感じた理由は、Twitterでも呟いたけれど、女性の心理描写への共感と、共感を越えた、抉るような痛みを伴う同族嫌悪。
『女生徒』には14作品が収録されているのだけれど、少女から婦人へ。女性の成長過程の順を追うように収録されている印象を受ける。
私が特に抉られたのは『皮膚と心』『誰も知らぬ』『きりぎりす』『千代女』『おさん』の5作なのだけれど、『おさん』を除く4作は連続して収録されていて、読了後に改めて目次を見て、きっと今私はこのあたりなのだな、と納得した。
しかし、太宰治という人は男性でありながら、抉るまで女性の心情の移ろいがわかっていたのかしら。
今となっては知る由もないそんなことが気になってしまった。