星の王子さま
2019.5.5読了
『星の王子さま』
サン=テグジュペリ / 訳: 河野万里子
令和最初の1冊は『星の王子さま』にした。
なんとなく内容は知っているものの、きちんと読んだことが無かった作品。
そしてきっと、目に見えない大切なことを教えてくれる作品だと思ったから。
そして、その期待に『星の王子さま』は応えてくれた。
1番印象に残ったのは、何度も王子さまが口にする「ぼくはあの花に責任があるんだ!」という台詞。
王子さまが自分の星を離れる前は、薔薇のつく嘘や態度に疲れてしまい、だからこそ星を離れたにも関わらず、いまだに薔薇に対して責任を感じている王子さまは、とても真摯だと思った。
きっと多くの人は、自分から逃げだしてしまったものに後悔や謝罪の念はあっても、責任はその時点で放棄してしまう。私もそう。
王子さまが地球以外の星で出会った人は皆、子供から見た大人の姿なのかもしれない。
偉そうだったり、とにかく忙しそうだったり、矛盾を繰り返していたり…。その姿は滑稽なピエロのようで理解できない。
だって誰一人、自分で動くということをしない。他者に依存している。だからこそ自分が滑稽なことをしているのに気がついていない。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない。」
このシンプルで優しい言葉を忘れないようにしなければ。